香害 イソシアネートの影響を知る
香害とは人工香料によって体の具合が悪くなるなど害が出る状況の事で、具体的には最近の洗濯洗剤や柔軟剤の強い香りに起因するものです。
2月2日に開催された香害学習会「イソシアネートの影響を知る〜子どもの免疫を脅かす有害化学物質イソシアネート〜」に参加しました。(講師:かくたこども&アレルギークリニック院長 角田和彦さん)
人工香料の強い香りは知覚神経を刺激し、頭痛や吐き気、じんましんや気管支喘息などのアレルギー症状などを起こします。
特に小児では神経系の発達(多動など)、味覚や嗅覚の発達異常を起こす可能性も指摘されています。
さらに香りを長持ちさせるためマイクロカプセル(数ミクロンの樹脂製カプセル)が問題で、この中に香り成分を入れ、たたいたりする事でカプセルが壊れて香りが飛び散ります。このカプセルが毒性の強いイソシアネート(ウレタン樹脂の原料)で私たちの生活のありとあらゆるものに使用されています。
一例では柔軟剤のキャップ1杯にマイクロカプセル約1億個入っていて、その8割以上は下水に流れ、洗濯物を干すことで周囲に多量に飛散します。イソシアネートによる症状は皮膚・粘膜障害、呼吸器障害、神経障害、発がん性があるとの報告があります。
すでにアメリカやカナダでは職場などで「無香料方針」や「低香料方針」を採用しているところがあり、世界では香料の成分を開示する企業が続々と現れているとのことです。
環境に野放図に放たれる化学物質の危険性はまだ全てが検証されたわけではなく未知な部分が多いです。日本でも問題意識を高め、成分開示など使用する私たちが判断できる情報を明らかにするしくみが必要です。(N)

かくたこども&アレルギークリニック院長
角田和彦さん